おやすみ

我が家で飼っていた犬が永眠した。
小学生のときに飼い始めて、15年ほどになる。
そもそも、なんで犬を飼いたいと思ったのか、当時の自分の感情は思い出せない。

飼っていた犬はそれほど賢くはなかった。お手を覚えさせるために、お手をするたびに
首や頭をなでてやっていたのだが、何をどう勘違いしたのか、なでてもらうために、
自らお手で要求するようになった。結局覚えたのは、その勘違いのお手だけだった。

正直、馬鹿であったが、見知らぬ人に尻尾をふる人懐っこいところは、可愛げはあった。
毛並みは良くなった。さすがにペットショップで売れ残っていただけのことはある。
ペットショップで、なんで、こいつを選んだのか。なんで、犬を飼いたいと思ったのか。
思い出せない。なんで。

今は、数々の思い出が胸に去来するばかりだが、もうしばらく続くのだろう。
去年も、3年前も、こんなだった。

木ノ下琴

木ノ下琴という主に同人ゲームの声優をやっている人がいるんだが、その人の声が丹下桜にそこはかとなく似ている。
そっくり!というわけではないのだが、ところどころにその片鱗がうかがえる。嬉しいことに、丹下桜と違って、彼女の場合
は艶かしい声を聞くことができてしまう。商業の方にもぜひとも出演して欲しい。

このさいだからはっきりいおう。エロゲー業界の人はすぐにでも木ノ下琴を採用すべき!

クイックセーブ&ロード 鮎川歩

ガガガ文庫の新刊。典型的なループもので、自殺してしまった幼馴染の女の子を救うために、主人公は死ぬことで、セーブしたところまでロードし、何度も何度も人生をやり直す。ループもののお約束として、なかなかループしても目的は達成されないのだが、最後にはようやくハッピーエンドとはいかないまでも、落ち着くところには落ち着く。

典型的、お約束、などと書いたが、このループものの特徴的な設定は、主人公は好きなところで、意識的にセーブして、死ぬことで、セーブした地点にロードされるのだが、セーブポイントは一つしかなく、上書きされてしまうというところだ。この設定から想定されうる、というよりか、実際にゲームでもよくある出来事が起こってしまう。また、巷で起こっている連続殺人事件と、ヒロインの自殺が関係して、その謎を追うミステリ的要素もあり、続きが読みたくなるようにうまく作ってある。なかなか楽しめた。

橋本紡

空色ヒッチハイカーを読んだ。米澤穂信と同じくライトノベルから一般のほうにもデビューした人だ。この著者の本はライトノベルも一般書籍のほうも読んだことはなかったけど、空色ヒッチハイカーはなかなか面白かった。分類的には一般書籍から出ているけど、きっちりとライトノベルの文脈から外れていない。次は半分の月がのぼる空を読んでみようと思う。

米澤穂信

ふと大学の帰りに書店に立ち寄ってみると、米澤穂信の新刊がでていた。おお、いつのまに、と思って手に取ってみると、ああ、米澤穂信はこっちの方向性に行きたいんだと、感じ入った。彼には少年少女が主役の青春小説を書ける時間というのはそんなに長く残されていないのかもしれない。(これはユリイカの特集で本人が言っていたことで、俺自身はそんなことは思ってはいない。)そうだとしても、俺は古典部シリーズや小市民シリーズやさよなら妖精が大好きなんだ。結局俺はその新刊を買わなかった。

ファントムリム(ネタバレあり)

伝奇ものの同人ゲーム。平凡な日常を生きていた主人公がある日から、この世にあらざる魔怪と出会うことで、非日常の世界に巻き込まれる。

絵が少女漫画に近いので、あまり男性受けする絵ではないのだけど、個人的には女の子は可愛くかけてると思う。特に雪鬼姫がお気に入り。彼女は主人公に対して、とても優しくて、全てを包み込むような寛容さがある。それと同時に冷静に状況を分析できる怜悧な頭脳の持ち主でもある。こういうメーテル的な女は非常に魅力的だ。とプレイ中に思ってたら、ひどい目にあった。

非常に続きがきになる。力を手にした主人公が両者を誅する展開を見てみたい。かなりだめなところもある主人公だが、境遇は不遇だし、同情すべきところもあるし、成長しようという気概は少なくともある。もっとがんばってほしい。雪鬼姫を調伏させたい。あるいはさらなるどんでん返しに期待したい(それはなさそうだけど)

マジで俺の雪鬼姫へのこの想いをどうしてくれるんだ。まさにタイトル通りの幻肢痛(phantom limb)を感じている。。。。