原発に対する危機感の正しい立ち位置

先日、ニコニコ動画の生放送で、現状の原発事故による放射線物質拡散に対する危機感、あるいは原発そのものに対する危機感をどのように持つべきかというような話がされていた。その放送ではかなり客観的な立場をとっていて、原発事故より以前に原発に対して過剰に危機感を持っていたといわれる人たちの言説がやや説得力を持ってきているから、中庸の立場は原発事故よりやや危機感を持つほうに傾いている。しかし、過剰に危機感を持ちすぎず、今の中間的な位置を認識し、いろいろなメディアから情報を仕入れ、デマに踊らされないようにしたほうがよいというような内容だった。放送を見ていたときはその通りだと思っていたのだが、放送中にやたら危険と安全との中間位置を強調していたのが気になった。さも中間位置にいることが、正しい立場であるような言い方だったが、原発に対する危機認識の正しさを、中間的立場が何ら保障するものではないからだ。同じ正しい情報を得たとしても、その情報に対してとる態度や得る感情は人それぞれだ。大丈夫だろうと関東にとどまる人もいれば、西へ逃げる人もいる。危機感のミドルポイントを知って、それを正しい危機感認識だと思うのは、メタ的な危機認識であり、数ある危機認識の一つでしかない。
結局個々で判断して、行動するしかないのだけれど。