クイックセーブ&ロード 鮎川歩

ガガガ文庫の新刊。典型的なループもので、自殺してしまった幼馴染の女の子を救うために、主人公は死ぬことで、セーブしたところまでロードし、何度も何度も人生をやり直す。ループもののお約束として、なかなかループしても目的は達成されないのだが、最後にはようやくハッピーエンドとはいかないまでも、落ち着くところには落ち着く。

典型的、お約束、などと書いたが、このループものの特徴的な設定は、主人公は好きなところで、意識的にセーブして、死ぬことで、セーブした地点にロードされるのだが、セーブポイントは一つしかなく、上書きされてしまうというところだ。この設定から想定されうる、というよりか、実際にゲームでもよくある出来事が起こってしまう。また、巷で起こっている連続殺人事件と、ヒロインの自殺が関係して、その謎を追うミステリ的要素もあり、続きが読みたくなるようにうまく作ってある。なかなか楽しめた。