キラークイーン[同人ゲーム]

外界から隔離された建物の中で、連れ去られた13人のプレイヤーは殺し合いを課せられる。プレイヤーは爆弾が仕込まれた首輪を解除するために、3日間生き残らなければならない。そのためには各プレイヤーに配布されたPDAに記された解除条件を満たさなければならない。皆が必死に生き残ろうとしているさなか、主人公は自分の命を顧みず、仲間を助けようとする。


バトルロワイヤルとクリムゾンの迷宮を足して二で割ったような設定。厳密に殺し合いをしなくても助かる方法があるが、ほとんど殺し合いをせざるを得ない状況と、爆弾つきの首輪とはバトルロワイヤルそのものだし、PDAを使って情報得るというのはおそらくクリムゾンの迷宮を参考にしたのだろう。主人公はあまり生き残ろうとする意思が感じられないため、「燃える」要素はなかったが、主人公をとりまくヒロインたちの感情の変化は楽しめた。
以下本作、バトルロワイヤル、クリムゾンの迷宮のネタバレ。

バトルロワイヤルやクリムゾンの迷宮を先に読んでいると、爆弾の裏技的な解除方法があることや、プレイヤーの中にゲーム主催者側の人間が混じっていることがある程度予想できてしまう。選択肢がなく、ひぐらしのように多少状況設定を変えて2本のルートが用意されているのだが、一本目はお約束の主要キャラが全員生き残るハッピーエンド。二本目はタイトルが「そして誰もいなくなった」でも誰もいなくならない。タイトル通り誰もいなくなったあとに、犯人だけが実は生き残ってた、っていう終わり方が様式としてはいいと思ったんだけどなぁ。元の推理小説は読んでないけど。あと、最後まで皆を騙しきって、殺戮を繰り返しときながら、でも主人公のことは愛しているという犯人のヒロインがとても怖い。愛してるというのは、主人公を殺さないことから納得できるが、それ以外のこと、最後に罪の意識にかられた、と言っているのがどうしても信用できない。今まで散々狡猾に演じていただけに、それも演技ちゃうんかと。主人公の心をとりこむための演技なんじゃね?と疑ってしまった。主人公を生き残らせるために自らの命を犠牲にすることは、愛の証明にはなっても罪の意識の証明にはなっていない。エピローグは主人公とヒロインとが仲良く手とりあって生きていこうという前向きなものだが、内心ほくそえんでいるヒロインを想像してしまい、背筋が寒くなった。たぶん私が疑り深いだけなんだろう。


最後に、声はいらないので追加で他のヒロインのルートを作って欲しい。あるいはキラークイーン2で登場キャラクターを一新するとか。素材が面白いだけに料理の仕方はまだまだたくさんありそう。