君に見せたい優勝を(フリーノベル)

野球をテーマにしたフリーノベル。野球自体には全く興味がないのだけれど、楽しく読めた。主人公は二軍の選手で、ある日彼の前に自分の所属するチームペアーズの女神と名乗る少女に出会う。少女は今年でペアースは解散し、身売りされることを彼に告げ、最後にペアーズに優勝をもたらすため、二軍で燻っていた彼に才能を開花させる奇跡を与える。かくして彼は眠っていた才気を呼び覚まし、一軍に入りチームを優勝に導こうとする。


紆余曲折はあるものの、型にはまったサクセスストーリー。かなりご都合主義なところもあるけど、野球のことをあまり知らないからか、それほど気にならなかった。どん底から這い上がって成功するというのはやっぱり読んでいて清清しい。最後まで奇跡に頼りっぱなしというわけでもなく、きちんと主人公自身の努力も描かれている。ヒロイン二人のルートがあり、どちらも可愛い。私が好きなのは女神の少女ルートで、主人公といたしてしまったらしいシーンが挿入されているのだが、明確に書かれていないぶん想像がかきたてられる。彼女はずっとペアースのユニフォーム姿だから、行為後の朝も彼女は着衣のままであった。いや、いったん脱がせて気づいたら?それとも着衣のままで?妙に照れた風もなく、主人公の出立をそそくさと促す彼女は、普段少し触れただけで肩を震わせる様子と相まって名状しがたい妖艶さを醸し出していた。あー。こんな娘空から落ちてこないかな。